こうした疑問にお答えします。
デジタルセールスは、名称としては最近耳にするようになった新しい言葉ですが、中身としてはこれまで既に存在していた仕事と大きく変わらないです。
いくつかの仕事がひとまとめにされて「デジタルセールス」という風に呼ばれ始めたという感じです。
しかしその重要性は以前よりも非常に増しています。特に新型コロナの流行によるリモートワークが当たり前になった今、こうしたデジタルセールスに注力が必要になってきています。
デジタルセールスのひとつを実際に経験し、それ以外も関わってきた私が詳しく解説していきます。
デジタルセールスとは?
デジタルを活用した営業のこと
言葉がそのまんまですが、デジタルセールスとは、デジタルを活用した営業活動の事です。
例えば、営業を支援するシステムの活用です。営業活動の5W1Hをすべて管理して活用するものです。
営業の5W1Hとは以下です。
When:いつ顧客に訪問したのか
Who:どの顧客(顧客の中の部長?課長?担当者?)に訪問したのか
Where:どこに訪問したのか(顧客によっても色々拠点や部署がある)
What:何を売り込んだのか
Why:どういう目的で訪問したのか
How:どのように売り込みをしたのか?(どうやってアポイントを取った?どういう売り込みをした?等)
これら過去のデータを活用すれば、商談発生率や商談獲得率を上げるような取り組みをすることが可能になります。
例えば、「A製品を購入している顧客はB製品も購入する確率が60%以上ある」みたいなのが見えてきます。
これにより、A製品購入の顧客をリストアップし、そこにB製品の売り込みをすれば購入の可能性は、やみくもに売り込みするよりも確率が上がるはずだ、ということが言えますよね。
これがデジタルセールスのひとつです。
他にも、営業と言えば能動的アクション、つまり営業から顧客に対してアポイントを取り、売り込みをします。
が、デジタルセールスは、受動的、つまり顧客から営業や会社の製品に対してコンタクトをしてもらうの営業と言うことで、ECストア等オンラインのみで売切る等が挙げられます。
どれも、足しげく通うアナログな感じではないですし、勘コツ経験と言う俗人的なものでもないですよね。
イメージですが、営業と言うと、顧客のもとに足を運び、トークと売り込み資料を武器にセールスを行うって感じの、いわゆる超アナログな感じが未だにあると思います。
事実その通りで、実際営業の現場では、まだまだ昭和な感じの、顧客に足しげく通うというスタイルが貫かれています。そしてそれが重要だ!という意識が未だね根強くあります。
DXの流行で増えている
デジタルセールスは、DX(デジタルトランスフォーメーション)が流行ってきたことにより、求人が非常に増えてきていますし、その重要性も増してきています。
営業の仕事にもDXの波が来ており、ご紹介したようなデータを活用した営業を導入する企業がグンと増えてきています。
また、足しげく通う営業と、デジタルセールスを全く別組織として確立させ、役割すなわち営業をしかけるターゲットも異なるようにするなど、完全に分けるようなことをしている企業も増えてきています。
DXが非常に広義に捉えることが出来るため、DXの一環としてデジタルセールスが増えてきているのです。
さらに、DXやリモートワークの普及などにより、顧客の購買行動が変化しています。
例えば、【ここに横櫛活動?で見た購買行動のどのタイミングで営業にコンタクトするのかの図を入れる】
一部は呼び名が変わっただけ
デジタルセールスと言うネーミングを聞くと、新しい職種のように感じますが、一部は昔から存在しており、呼び名が変わっただけ、と言ったものもあります。
詳細はこの記事の後半で伝えします。
例えば、カスタマーサポートは、以前から存在している仕事ですが、最近はデジタルセールスのひとつと言われています。
その理由として、カスタマーサポートの仕事のデータをSFAに入力してそれを活用することから、デジタル活用の促進となっているからです。
SFAとは、Sales Force Automationの略称で、営業活動を強化するためのシステムやツールの事を指します。
以前は、カスタマーサポートのデータは、電話の録音やメールを残すくらいでしたが、最近はSFAに登録してデータベース化しています。
そのデータを活用して、よりよいサービスの提供はもちろん、他の製品やサービスの購入をしてもらうような営業活動をしたり、時には解約の兆候を見極めて解約を防ぐ動きをするなども進んでいます。
実際、カスタマーサポートへの問い合わせの内容をAI(人工知能)で分析して、「この顧客は半年以内に解約する確率が〇%以上あります」という通知を担当者に行う、と言うことが既に運用されています。
つまり、昔から存在していた仕事でですが、デジタルツールや、営業に関連するシステムを活用することで、デジタルセールスと言われるようになってきたということです。
デジタルセールスの職種
インサイドセールス
インサイドセールスは、言葉だけですとなかなか分かりにくいかもですが、コールセンターやテレマーケティング、あるいはテレアポ代行と言うと、何となくイメージがつきやすいと思います。
会社に存在する顧客データベースをもとに電話やメールでコンタクトを行い、その内容を営業マンに引き継ぐというようなものです。
営業マンひとりひとりでカバーできる範囲は限られますし、どうしても大きな案件に注力したりと言うことで、おろそかになる顧客があります。
そこに電話やメールで連絡を入れ、何かニーズが無いか等をヒアリングするのです。
電話やメール以外に直接的に顧客に営業活動をせずに営業マンにつなぐことから、インサイドセールスと言われます。
電話を会社の固定電話使わないと行けない場合を除き、基本リモートで全て完結可能です。
オンラインセールス(リモートセールス)
オンラインセールス、あるいはリモートセールスとかも言われますが、主に、テレビ会議ツールを使ってセールスを行うものです。
これは、デジタルセールスの中でも新しい分類になります。
テレビ会議ツールとして使われるものは主に以下です。
Microdoft Teams
ZOOM
Google Meet
WebEX
Skype
これらのツールを使って営業活動を行います。
以前は、こうしたツールはあまり使われていなかったのですが、新型コロナの流行に伴い、個人にアカウント(IDみたいなもの)が割り当てられたため、1人1人にアクセスが可能になりました。
これによって、今まで対面でしかアクセスできなかった人に対して、個別にアクセスができるようになりました。
メールアドレスさえあれば、リモート会議をセットできるようになった訳です。
営業と言えば基本的には対面で、顧客の表情やその場の雰囲気を感じながら行うものでしたが、それが出来なくなり、こうしたオンラインの仕組みを活用せざるを得なくなったという感じです。
Skypeなどは以前からありましたが、フリーソフトとしてダウンロードが必要だったので、企業のサイバーセキュリティの都合でダウンロード出来ない等で、広まりませんでした。
しかし、Microdoft Teamsは、Microdoft社のOfficeにあるメール機能(Outlook)を使うので、誰でも使えるようになりました。
社会人で、メールアドレス持っていない人は、居ないですよね。
こうして、オンラインセールスが出来る環境、そして、オンラインセールスを「受ける」環境が整い、デジタルセールスのひとつになったのです。
カスタマーサポート(カスタマーサクセス)
カスタマーサポート、あるいはカスタマーサクセスと言う場合もありますが、製品やサービスを買ってもらった、あるいは導入してもらった顧客に対して、その後のフォローアップやサポートを行う仕事です。
また、毎年契約の更新が必要なサービスなどの場合、その更新対応を行うのも仕事です。
そして時には、不満やクレームの対処も必要になります。
不満やクレームと聞くと、嫌だなと思うかもですが、実際にその不満やクレームに対して対処するのは、営業マンの仕事です。
お客様相談センターとか、色んな名称ありますが、そのイメージも近いです。
顧客満足度を上げることはもちろんですが、長く契約を続けてもらったり、顧客満足度を上げることが会社としても重要なので、こうしたカスタマーサポートの重要性は増してきています。
例えば私が働いているIT企業では、システムを作り終えたところでIT企業の仕事としては終わりですが、顧客はそのシステムを使って仕事をします。
よって、システムを作って終わりではなく、その後のサポートをしっかりと行わねばなりません。
そこで重要になるのが、このカスタマーサポートの仕事です。
他でも同じですよね。家電製品でも、メーカーや家電量販店は売ったらそこで終わりですが、あなたにとっては買ったところからその家電を使い始めますから、買った後のサポートが充実していると、安心しますよね。
顧客をしっかりサポートし、満足度を上げ、リピーターにしてもらうことは、企業はこれまで以上に重要視してきています。
デジタルセールスとして求められる人材
デジタルセールスとして求められる人材は、何といっても営業職の経験者です。
セールス、と名称がついているくらいなので、デジタルセールスは、営業職の部類になります。
オンラインセールスやインサイドセールスは、営業職として経験してきた、顧客の悩みや課題を聞き出すトーク力、自社の製品知識や強豪との差別化ポイント、売り込み力などは、デジタルだろうが、顧客に訪問するとか関係なく必要です。
いわば、売り込みをするための手段が異なるだけであるため、これまでの営業と大きくやることは変わらないです。
また、カスタマーサポートやカスタマーサクセスでは、いかに顧客の立場に立ち、不満や要望を聞き出すか、それをうまく的確に営業マンにフィードバックするかと言うスキルも求められます。
これも営業をやっていた人なら普通にやっていることでしょう。
このように、デジタルセールスとして求められる人材は、営業を経験してきた人なら普通に持っているスキルなので、新たに何か習得しなくてはいけないということはありません。
強いて言うなら、デジタルセールスはSFAなどのシステムを駆使することが多いため、その習得が必要ですが、会社によって使っているものが異なるので、それは入社後で問題無いです。
SFAとは、Sales Force Automationの略称で、営業活動を強化し支援するツールやシステムの総称です。
ざっとメジャーどころを挙げても以下3つあり、他にもたくさんありますし、使い方や操作性は全部異なるので、習得は実際にデジタルセールスになってからで全然OKです。
Salesforce:世界ナンバーワンの実績
Kintone:カスタマイズが可能で使い勝手が良い
Microsoft Dynamics 365:その名の通りMicrosoft製品との連携がしやすい
デジタルセールスへの転校を検討するのでしたら、大手の転職エージェントとともに、デジタルセールスに特化したマーキャリ NEXT CAREERにも登録をしておいた方が良いです。
広くカバーしている大手と特化型の両方をうまく活用して良い求人を探しだすことができます。
大手のエージェントと同様、一切費用はかからないので、是非こちらの活用も検討してみてください。
まとめ
まとめますと、デジタルセールスは、昨今のリモートワークや顧客の購買行動に対応するために出来た新しい営業の職種です。
大きくは通常の営業の仕事と変わりありませんし、これまで存在したものが呼び名が変わったものです。
ただ、新型コロナの流行によるリモートワークの普及により、その重要性が増してきているため、フォーカスされている仕事です。
企業もそうした購買行動の変化に対応していくために、このデジタルセールスは強化している部隊なので、興味があるのでしたら検討いただいて損は無いです。
営業やってた立場から言いますと、営業より圧倒的に楽ですし、顧客対応など営業が抱えるストレスなども減ることから、その点からもおススメ出来ます。
今回は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。